【宮塚コラム】初心者でも 6カ月でアイアンマンになれる! 〜 みなみ北海道でビッグチャンスをつかもう 〜

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2024年アイアンマンジャパンみなみ北海道の完走率は 93.4%という高水準だった。
その要因からは、大会ならではの特長も見ることができる。そんな数々のファクターを、大会スーパーバイザーとして第1回実行委員会からレースに携わり、当日には函館・江差自動車道(バイクコース)全域にわたる移動スタッフとしても活躍した宮塚英也さんが分析。
さらには2025年大会参加を予定している、アイアンマン完走が目標のチャレンジャーたちを後押しするノウハウも紹介してもらった。

分析・指導/宮塚英也

良好だったレースコンディション

今年のレースで完走率が高かった一番の要因は当日の気候でしょう。
暑くもなく寒くもなく。9月中旬に行われる北海道ならではの良好な大会コンディションだったといえます。

あとは、やはり全体のコース設定ですね。
スイムは、本番では多少コースは荒れていましたが、海外レースでよくあるような大きな波がうねっていた訳ではないですし、全体的なタイムを見ても目立って悪いということはなかった。
条件が整いやすいロケーションだと思います。

バイクに関しては、「常に上っているか下ってるか」というようなコースではありますが、急な坂道は途中の折り返しポイントとなるインターチェンジ区間くらい。
レイアウト自体の難易度は高くはありません。

好条件の理由は、やはりコースの9割以上を自動車専用道路が占めるという設定。折り返し点を除き、コーナーリングのストレスがほぼないといえるレイアウトで、これにより精神面も含めた身体のへのダメージも変わってきます。

たとえば獲得標高が変わらないとしても、真っすぐ基調のバイクコースとワインディングが続くテクニカルなレイアウトとでは、同じ距離を走ってもタイムが変わってきます。

コーナーが多く、ストップ&ゴーを幾度も繰り返せば当然タイムのロスが生まれますし、緊張感も増します。特にコーナーリングが苦手な人には、上半身に無駄な力が入ったりとストレスも大きくなる傾向にあるでしょう。
これらの負荷は続くランにも大きな影響を与えることになります。

そのラニングコースは、途中に高低差20mのビュースポットを含むものの、全体で見ればフラット基調。こちらも走りやすいレイアウトで、これらの要素が高い完走率をもたらしたといえます。

ただし、トライアスロンは自然とも戦わねばならないスポーツです。
もしもレース当日の気温がいつもと比べて高すぎたり、雨が降り寒くなっていたならば完走率は少しは(93.4%から)下がっていたことでしょう。
さらには、バイクパートで強風が吹いたとすると、今年とは状況が一変する可能性もあるかとは思います。

47%の初アイアンマン参加者率

ただその一方で、今回の完走率にまつわる数値で、非常に注目すべきデータがひとつあります。
それは2024年大会で、初めてアイアンマンに挑戦したという人が、参加者全体の47%を占めていたということ。
もちろん、これには日本で9年間フルディスタンスのアイアンマンが行われていなかったことや、国内大会における参加のしやすさなども作用していたのだと思います。

しかし、いずれにしてもこれらの選手も含めた1,417人のトライアスリートが今回出場し、1,324人がフィニッシュしたという事実は特筆すべき結果。これは、ここまで説明してきた みなみ北海道大会ならではのレース・プロフィールが多分に起因していることは間違いありません。
初心者に優しいレースコンディションとも表現できるでしょう。
特にアイアンマン初挑戦のアスリートにとって、完走できる確率が高いレースといえると思います。

0(ゼロ) 発進からでも完走できる!

ここからは、みなみ北海道大会でアイアンマンに初めて挑戦し、完走したいという読者に向けての簡単なアドバイスを贈りたいと思います。

たとえば、国内シーズンを前にした来年の2月末あたりから、初心者が9月のレースに向けて本格スタートを切ったとします。するとフィットネスレベル向上を目指していくトレーニング期間は、本番前2週間の調整を除くと約6カ月。
それだけの時間があれば十分に、誰でもアイアンマンを完走できます。
大丈夫と言い切れます。

別にロングディスタンスのレースを目指すのだからといって、1回のトレーニング量や距離を無理やり増やしていかねばならないことはありません。
トレーニングの進ちょくは1週間のトータル時間で見ていくべきで、その合計量を少しずつ増やしてけるようにする。それが目標への一番の近道となるのです。

たとえば、これまで1週間で合計5時間のトレーニングを行ってきた参加予定者がいるとします。
その人がレースまでの6カ月間プログラムで徐々に段階を踏み、6時間、7時間と練習量を増やしていくことができて、結果的に1週間で8時間くらいまでをこなせれるようになれば理想的。そうすれば、本番でより一層気持ちよく完走できるレベルでレースに臨めます。

このアプローチ方法は、過去にレースに出場していたが、しばらくトレーニングを休んでいてほぼ0(ゼロ)の状態からスタートする人や、しばらく大会には出場していないという人でも同じです。
オフ期間を終えて身体を動かし始め、少しずつで良いので1週間の練習量を伸ばしていく。そうやって9月に入った段階で、具体的な目安として週5時間のトレーニングを余裕をもってこなせるようになれれば、アイアンマンジャパンを十分に完走することができるでしょう。
今までにトライアスロンの経験がある人で、この先6カ月の準備期間があればそのレベル(週5時間)に達することは可能です。

加えてアイアンマンジャパンみなみ北海道の制限時間は17時間。これも目標に向け、あなたを大きく後押ししてくれるはず。
そうです。チャレンジするのに今が大きなチャンスといえるのです。

※このコラムは宮塚英也さんの見解をまとめたものです。大会実行委員会のリリースではございません

宮塚英也(みやづか ひでや)
現役時代、宮古島トライアスロン4勝、第1回ロングディスタンス日本選手権優勝など数々の実績を挙げ15年以上トップを走り続けてきたレジェンド。特にアイアンマン世界選手権コナ(ハワイ)では計13回出場し、9回の20位以内のリザルトをマーク(うち2度のトップ10入り)。世界でも5本の指に入る金字塔を打ち立てている。
9月に行われたアイアンマンジャパンみなみ北海道では大会スーパーバイザーとしてレースアドバイスなどに携わっている。

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《 アイアンマン完走を目指す、初心者向けプログラムの連載をスタート予定!》
今後、当サイトでは宮塚英也さん指導による、初心者が2025年9月に行われるアイアンマンジャパンみなみ北海道を完走、あるいはパーソナルベストを目指すための、トレーニング・プログラム連載をスタートさせる予定です。

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