函館のシンボルでもある五稜郭。写真の五稜郭タワーから望む景色はレース期間中ぜひ楽しんでおきたい
9月15日に北海道北斗市と木古内町で開催されるアイアンマンジャパンみなみ北海道。
その隣には函館市が位置し、これら道南エリアに1,500人のトライアスリートが集い、各々の目標を抱いてアイアンマンという長い戦いに挑戦することとなる。
ところで、この地域は明治元年から2年間、新政府軍と旧幕府軍が覇権を争いぶつかり合った戊辰戦争の終焉となる箱館戦争の舞台。そして、その幕末期の動乱の中で活躍した新選組、主には土方歳三ゆかりの地としても知られている。
日本の近代史に造詣のある参加者なら、その魅力に触れられるレースウィークを楽しみにしている人も多いのではないだろうか。
<新選組とトライアスリートとの親和性を考えよう>
江戸時代末期に結成され、幕府の命を受け主に京都での公安、治安維持などに従事した新選組。近藤勇、土方歳三、沖田総司など今なお数多くのファンを魅了し続けている武士たちは、長く厳しい武術の鍛錬を経た、剣の達人たちとしても知られている。
倒幕という時代の流れに対抗するため個人の技術や体力、そして精神力など、あくなき能力向上を追求し続けるチームだったといえるだろう。
武士道とスポーツマンシップ。愚直さと継続性。忍耐と持久力ーー。
自身の信念のために努力を絶やさない。その目標に向かい走り続ける姿勢は、アイアンマンに通ずるマインドと重ね合わせることができるのではないだろうか。
<新選組と道南エリア>
道南地域、特に函館周辺には、土方歳三や元隊士たちの足跡をたどることができる名所が多く存在している。
たとえば景勝地として人気の函館山や、その特徴的な形状、さらには地元の歴史が学べる観光地として多くの人が訪れる 五稜郭 など。明治維新の最中、新選組が旧幕府軍の一員として新政府軍と戦った「箱館戦争」の舞台で、活動の終焉を迎えたこれらの場所に、レース期間中に足を運び知見を広めるのもおすすめだ。
函館山から見下ろす街の風景。写真の左方面へ進み続けると大会のスイム会場が待ち受ける
当連載コラムでは “Triathlete 新選組” と称して今後、道南の大会会場周辺地域やコースなど、土方歳三率いる新選組にゆかリのあるスポットや話題などを毎回紹介していく。
幕末から現在、そして未来へ。新選組誕生から160年、そして戊辰戦争から150年を過ぎた今、この道南の地の歴史に触れてみよう。